コラム

仮囲いの組み方|建築現場(屋外)と商業施設・店舗(屋内)の違いを解説

工事現場の安全と美観を確保するために不可欠な「仮囲い」。

一口に仮囲いと言っても、建築現場の「屋外用」と、ショッピングモールや百貨店で使われる「屋内用」では、その目的、材料、組み方が全く異なることをご存知でしょうか。

屋外用は「風圧への強度」や「防犯」が最優先されますが、営業中の店舗が並ぶ屋内用は、「床や天井を傷つけない施工技術」「周辺店舗への美観」「完璧な原状回復」が何よりも求められます。

この記事では、全国の商業施設で豊富な経験を持つ弊社「クリアジャパン」が、仮囲いの専門的な仕様・組み方まで、徹底的に比較・解説します。

適切な仮囲いの知識は、安全な工事とトラブル防止の第一歩です。お見積もりは無料ですので、まずはお気軽にご連絡ください。

仮囲いとは?【屋外・屋内】目的と役割、種類の違い

仮囲いとは、工事期間中に現場の境界を明確にし、安全確保や防犯、景観維持のために設置される仮設の塀のことです。まずは、すべての仮囲いに共通する基本的な役割と、設置場所によって全く異なる目的の違いについて解説します。

仮囲いが果たす3つの共通役割(安全・防犯・美観)

  1. 安全の確保
    最も重要な役割です。関係者以外の立ち入りを防ぎ、現場内外の安全を確保します。また、資材の落下や粉塵の飛散から周辺の人々や建物を守ります。
  2. 防犯対策
    工具や建材、設備機器など、高価な資材の盗難を防ぐための物理的な障壁となります。
  3. 周辺環境への配慮と美観の維持
    工事現場は、ともすれば雑然とした印象を与えがちです。仮囲いは現場を外部から遮蔽し、街や施設の景観を損なわないように配慮する役割も担います。

【比較表】屋外用(建築現場)と屋内用(商業施設・店舗)の違い

共通の役割はありますが、設置される環境によって最優先される目的や仕様は大きく異なります。

比較項目 屋外用(建築現場) 屋内用(商業施設・店舗)
主な目的 強風対策、第三者の侵入防止、防音 美観維持、床・天井の保護、原状回復
主な部材 単管パイプ、万能鋼板、フラットパネル LGS(軽量鉄骨)、化粧石膏ボード
設置場所 地面(土)、コンクリート 既存の床(Pタイル、長尺シート等)の上
固定方法 杭打ち、アンカーボルト固定 床・天井を傷つけない突っ張り、自立式
重視する点 風荷重計算、強度、耐久性 周辺店舗への配慮、デザイン性、防塵性

パネル・素材の種類と特徴

目的に応じて、使用されるパネルも異なります。

屋外用パネル(強度・耐久性重視)

屋外用パネル(強度・耐久性重視)
  • 万能鋼板 (カラー鋼板)
    最も一般的な波型の金属パネル。安価で軽量、耐久性があります。
  • フラットパネル
    表面が平滑な金属パネル。美観に優れ、防音・防塵性が高いため市街地でよく使われます。
  • メッシュシート
    風を通す網目状のシート。高所や強風地域で風圧を逃がすために使われます。

屋内用パネル(美観・施工性重視)

屋内用パネル(美観・施工性重視)
  • 化粧石膏ボード (化粧PB)
    表面が木目調や単色の化粧シートで仕上げられた石膏ボードです。美観に優れ、設置するだけで内装壁の一部のように見えます。LGS(軽量鉄骨)下地にビスで固定して使用します。厚みは9.5mmや12.5mmが一般的です。
  • ベニヤ板
    加工が容易で安価ですが、表面が仕上げられていないため、上からシートを貼るなどの美観対応が別途必要になる場合があります。

【建築現場向け】仮囲い(屋外)の組み方と特徴

屋外の仮囲いの組み方を紹介します。

骨格となる単管支柱の設置(杭打ち)

地面(土)の場合、支柱の基礎となる単管パイプを杭打ち機やハンマーで打ち込みます。ピッチ(間隔)は1.8m〜2.0mが一般的ですが、後述の風荷重計算に基づき決定されます。杭が傾かないよう、垂直精度が非常に重要です。

倒壊を防ぐ「控え」の設置と風荷重計算

屋外の仮囲いは常に風雨にさらされるため、風圧で倒壊しないよう背面に「控え」と呼ばれる補強の柱を必ず設置します。どの程度の強度の控えを、どれくらいの間隔で設置するかは、地域の基準風速などに基づく「風荷重計算」によって決定されます。

地盤・コンクリート面への固定方法

  • 軟弱地盤
    杭をより深く打ち込む、控えの足元にコンクリートブロックの重しを置くなどの補強が必要です。
  • コンクリート面
    地面に穴を開け、樹脂でボルトを固定する「ケミカルアンカー」などでベースプレートを強固に固定します。

【商業施設・店舗向け】内装仮囲い(屋内)の組み方と特徴

屋内の仮囲いの組み方を紹介します。

なぜLGS(軽量鉄骨)を使うのか?単管パイプとの違い

屋外で使われる単管パイプを商業施設内で使うことは、床を傷つけ、美観を損ねるためあり得ません。内装仮囲いにはLGS(軽量鉄骨下地)を使用します。

  • 床や天井を傷つけない
    LGSは床と天井の間で「突っ張る」形で固定できるため、アンカーボルトのように床に穴を開ける必要がありません。
  • 加工が容易
    現場の複雑な寸法や天井高に合わせ、その場で切断・加工が可能です。
  • 美しい仕上がり
    表面が平滑なため、この後の「化粧石膏ボード」を歪みなくキレイに貼り付けるための最適な下地となります。

内装仮囲いの具体的な組み方(施工手順)

内装仮囲いは、屋外とは異なり「建築内装」の技術で組み立てられます。

  1. 墨出し・ランナー固定
    まず、設計図に基づき、仮囲いを設置するラインを床と天井に正確に記します(墨出し)。そのラインに沿って、LGSのレールとなる「ランナー」を固定します。
    ※床がPタイルや長尺シートの場合、ビスを打てないため、強力な両面テープや養生テープで床を保護した上で固定します。
  2. スタッド(LGS)の建て込み
    床と天井のランナー間に、柱となるLGS「スタッド」を一定の間隔(ピッチ)で垂直に建て込みます。
  3. スタッドの選定(65スタッド・100スタッド)
    スタッドは主に幅65mmの「65スタッド」が使われますが、仮囲いの「高さ」に応じてより強度の高いものを選ぶ必要があります。
    高さが4m(4000mm)を超える場合、建築基準法の指導や各施設の安全ルールにより、倒壊防止のため強度の高い「100スタッド(幅100mm)」の使用が必須となります。
  4. 振れ止め・補強
    スタッドが横に倒れないよう、水平方向や斜め方向に補強材(振れ止め)を適宜入れ、壁としての強度を確保します。
  5. 化粧石膏ボード(PB)の貼り付け
    LGS下地に対し、厚さ9.5mmまたは12.5mmの化粧PBをビスで隙間なく固定していきます。これにより、美しく丈夫な壁が完成します。

出入口の設置(アルミ引戸)

作業員や資材が安全に出入りできるよう、施錠可能な「アルミ引戸」を組み込みます。開閉がスムーズで、営業中のエリアに余計なスペースを取らない引戸タイプが主流です。また、消防法に基づく避難経路の確保にも配慮して設置場所を決定します。

商業施設・店舗ならではの安全対策と配慮

施設内での工事は、技術以上に「配慮」が求められます。

  • 防塵・防臭対策
    パネルの隙間や上下を徹底的に養生テープなどで目張り(コーキング)し、工事中の粉塵や塗料の臭いが、営業中の他店舗やお客様エリアに漏れないよう密閉します。
  • お客様への安全確保
    仮囲いの角(出隅)に養生材(コーナーガード)を施し、万が一お客様が接触しても怪我をしないよう保護します。
  • 美観の維持
    化粧PBの表面に汚れや傷が付かないよう丁寧に扱い、常にクリーンな状態を保つこともプロの仕事です。

【重要】仮囲い撤去後の「原状回復」

仮囲いは工事が終われば必ず撤去します。その際、設置前と同じ状態に戻す「原状回復」こそ、貴社の資産である施設を守るために最も重要な工程であり、弊社の専門技術が活かされる場面です。

屋外仮囲いの原状回復(杭の撤去・穴埋め)

屋外の場合は比較的シンプルです。杭を抜いた後の地面を埋め戻したり、コンクリートに打ち込んだアンカーボルトを床面で切断し、モルタルで穴を補修したりします。

内装仮囲いの原状回復(床・天井の補修)

商業施設のデリケートな内装材を元通りにするには、内装工事の高度な知識と技術が求められます。

  • 床の補修
    Pタイルや長尺シートに付着したテープ跡の完全除去、万が一ついてしまった傷の補修。
  • 天井の補修
    天井材(ジプトーン、岩綿吸音板)にLGS固定時についたビス跡や、養生テープによる表面の剥がれなどを、周囲と全く同じ質感・色合いで補修します。
  • 壁の補修
    既存の壁紙(クロス)との取り合い部分(接合部)を、補修跡が分からないようにキレイに仕上げます。

なぜ仮囲いと原状回復をセットで依頼すべきか

設置業者の中には、「設置するだけ」で、原状回復の技術を持っていない業者が存在します。

弊社のような原状回復の専門業者は、設置の段階から「どうすれば撤去後に床や天井を傷つけずに済むか」を逆算して施工します。

設置と撤去・原状回復を別の業者に依頼すると、余計なコストがかかるだけでなく、最悪の場合「床の傷が補修できない」といったトラブルにもなりかねません。

仮囲い工事のよくある失敗例とトラブル対策【屋外・屋内別】

過去の失敗例から学ぶことで、トラブルを未然に防ぐことができます。特に読者(店舗担当者)の皆様に関係が深い「屋内編」から解説します。

【屋外編】建築現場で起こりがちなトラブル

  • 失敗例①:強風で倒壊した

原因: 風荷重計算のミス、ピッチ(間隔)が広すぎる、控え(補強)の強度不足。
対策: 設計段階で地域の基準風速に基づいた綿密な計算を行い、基準に基づいた施工を徹底することです。

  • 失敗例②:騒音で近隣クレームが発生した

原因: 杭打ちの音、金属パネルの反響音、早朝・夜間の作業。
対策: 低騒音型の工法を採用し、作業時間帯を遵守すること。近隣への丁寧な事前告知も不可欠です。

【屋内編】商業施設で起こりがちなトラブル

  • 失敗例①:床や天井に傷・跡が残った

原因: 強引な固定、養生(保護)不足、撤去後の補修技術の欠如。
対策: 設置時から原状回復の知識がある専門業者に依頼すること。弊社のように、床材や天井材の種類に応じた補修技術を持つ業者を選ぶことが重要です。

  • 失敗例②:粉塵や臭いが漏れてクレームに

原因: パネル間の隙間や、天井との隙間を目張りする「コーキング」や養生が不十分だった。
対策: 施工時に防塵・防臭を徹底し、仮囲い内部を密閉空間にする高い施工技術を持つ業者を選ぶことです。

  • 失敗例③:美観が悪く、施設のイメージを損ねた

原因: 化粧PBの表面が汚れている、ボードの継ぎ目がガタガタ、デザイン性が考慮されていない。
対策: これは「内装仕上げ」の技術不足です。内装工事の経験が豊富な業者を選ぶことで防げます。

まとめ|仮囲い工事は「目的」と「場所」に応じた
業者選びが成功の鍵

ここまで、仮囲いの基本的な役割から、屋外用と屋内用の違い、そして専門的な施工方法まで解説してきました。

重要なポイントを繰り返します。

  1. 仮囲いには大きく「屋外用」と「屋内用」があり、目的も工法も全く異なります。
  2. 特に商業施設や店舗の「内装仮囲い」は、強度だけでなく、美観、安全性、そして「完璧な原状回復」までがセットで求められます。
  3. LGS(軽量鉄骨)、100スタッドの使用基準、化粧PBの施工といった専門知識と「内装仕上げ」の技術を持つ業者を選ぶことが、トラブルを避ける最大の鍵です。

弊社「クリアジャパン」は、原状回復工事を主軸に、大型商業施設での仮囲い工事(設置〜撤去〜原状回復)まで、豊富な実績と専門技術でワンストップ対応いたします。

「この場所でも設置できる?」「費用はどれくらい?」「撤去後の原状回復まで任せたい」

どのようなことでも、まずはお気軽にご相談ください。ご相談、お見積もりは無料で承っております。

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