コラム

【テナント向け】商業施設の改装・原状回復工事のメリットと注意点

「そろそろ改装したいけど、何から手を付ければいいの?」

「退去時の原状回復費用が心配…」

そんなテナント担当者様へ。この記事では大切な店舗の価値向上や円満な退去に不可欠な、改装・原状回復工事の知識をまとめました。

それぞれの工事の目的やメリット、契約内容の確認や業者選びなど、後悔しないために押さえておくべき注意点を丁寧に解説します。

1. 改装工事とは?

改装工事とは?

改装工事とは、既存の内装や設備を部分的あるいは全面的に新しくし、商業施設としての魅力や利便性を向上させる工事のことです。例えば、店舗のレイアウトを一新したり、老朽化した設備を交換したりするなどの施工が含まれます。

改装工事には、以下のような目的があります。

  •  顧客満足度の向上:内装の刷新により、来店者の印象が良くなり集客にも効果があります。
  •  業態変更への対応:異なる業種への転換時に必要となる内装・設備の変更。
  •  省エネ化や機能改善:LED照明や最新の空調設備への変更などで、ランニングコストを削減。

改装工事は、企業のブランドイメージや従業員の働きやすさにも直結するため、戦略的に取り入れることが大切です。特に小売業やサービス業では、定期的な改装によって顧客の関心を維持し、競争力を保つことができます。


2. 原状回復工事とは?

原状回復工事とは?

原状回復工事とは、テナント退去時に、賃貸契約時の状態(入居前の状態)に戻すための工事です。

商業施設やオフィスビルでは、賃貸契約によりテナントが内装を自由に改装することが可能な場合が多いですが、退去時にはそれらを元に戻す義務があるケースが一般的です。契約書には原状回復の範囲が明記されていますので、入居時に詳細を確認することが重要です。

主な作業内容としては、

  • 間仕切りや什器の撤去
  • 壁紙や床材の張り替え
  • 電気・水道・空調の配線整理
  • 天井や照明の復旧

などが挙げられます。

原状回復工事は、ビルの資産価値を維持するうえでも非常に重要です。また、トラブルを防ぐためにも、事前に契約書をしっかり確認しておくことが求められます。


3. 改装工事・原状回復工事のメリット

商業施設における原状回復工事には、テナントとオーナー双方にとって様々なメリットがあります。

【改装工事のメリット】

  • 顧客体験の向上:綺麗で機能的な空間は来店者の印象を大きく左右します。
  • ブランドイメージの強化:業態やコンセプトに合った空間演出で、ブランドの世界観を表現できます。
  • 従業員のモチベーションアップ:快適な職場環境は働きやすさや定着率にも好影響を与えます。
  • 省エネ・コスト削減:最新の設備導入により、長期的な光熱費の削減や環境負荷の軽減が可能になります。サステナビリティへの取り組みは企業価値を高める要素としても注目されています。

【原状回復工事のメリット】

  • 契約トラブルを防止:貸主・借主双方の権利を守る適切な復旧工事が信頼関係の構築に繋がります。
  • 次の入居者へのスムーズな引き継ぎ:綺麗な状態で引き渡すことで、次のテナント誘致も円滑に行えます。
  • 将来の移転コスト軽減:適切な原状回復工事の実績があれば、将来別の物件に移転する際にも信頼を得やすくなります。商業不動産業界では実績と信用が重要な要素です。

4. 注意すべきポイント

改装工事や原状回復工事を成功させるためには、いくつかの重要なポイントに注意する必要があります。

【point1】契約内容の確認

原状回復の範囲や負担区分(A工事・B工事・C工事など)は契約書に明記されています。オーナーとの事前確認は必須です。特に天井・壁・床・電気設備などの取り扱いについては詳細に把握しておきましょう。

【point2】工事スケジュールの調整

営業への影響を最小限にするためには、施工時期や期間の調整が必要です。特に営業を継続しながら工事を行う場合は、以下の点に注意しましょう。

  • 顧客が少ない時間帯や休業日を活用した工事計画
  • 工事区域と営業区域の明確な分離による安全確保
  • 騒音や粉塵が発生する作業の時間調整
  • 緊急時の対応体制の整備

【point3】法令・規制の遵守

建築基準法や消防法など、各種法令への適合を確認しましょう。特に以下の点に注意が必要です。

  • 防火・耐震関連の規定
  • バリアフリー化の要件
  • 排煙設備や消防設備の基準
  • エネルギー効率に関する基準

【point4】廃棄物処理の適正管理

工事に伴う廃棄物は、産業廃棄物として適切に処理する必要があります。信頼できる業者選びが重要です。不適切な廃棄物処理は法的責任を問われる可能性があるため、以下の点に注意しましょう。

  • 廃棄物の分別と適切な処理方法の確認
  • マニフェスト(産業廃棄物管理票)の適切な運用
  • リサイクル可能な資材の有効活用
  • 廃棄物処理業者の許可証確認

5.2025年における商業施設の改装・原状回復工事のトレンド

2025年の商業施設改装では、以下のような工事が注目されています。

サステナビリティへの対応

サステナビリティへの対応

環境に配慮した素材や省エネ設備の導入が標準となっています。再生可能素材の使用やエネルギー効率の高い照明・空調設備への更新は、長期的なコスト削減にも繋がります。

また、SDGsへの取り組みをアピールできる空間デザインは、企業イメージ向上にも効果的です。特に若い世代の消費者や従業員は環境への配慮を重視する傾向があります。

フレキシブルな空間設計

フレキシブルな空間設計

多目的に活用できる可変性の高い空間設計が増えています。可動式パーテーションやモジュラー家具の活用により、イベントやセミナー、季節ごとの売場変更などに柔軟に対応できます。

テナントにとっても、将来的なレイアウト変更が容易になることでコスト削減につながります。特にポストコロナ時代においては、状況に応じて空間を柔軟に変化させられることが重要です。

デジタル技術の統合

デジタル技術の統合

最新のデジタル技術を取り入れた店舗環境が一般化しています。デジタルサイネージ、セルフレジ、スマートフォンと連携した店内体験など、テクノロジーと物理空間の融合が進んでいます。

これらの設備を効果的に配置するための電気工事や通信環境の整備も、現代の改装工事では重要な要素となっています。


6. まとめ

改装工事や原状回復工事は、商業施設における運営や資産管理において欠かせないプロセスです。どちらも計画的に行うことで、集客力の向上や円滑なテナント入れ替え、企業価値の向上へとつながります。

特にテナントの立場では、契約内容の正確な理解と適切な専門業者の選定が成功の鍵となります。早期から計画を立て、オーナーとの良好なコミュニケーションを図ることで、スムーズな工事実施が可能になります。

弊社では、商業施設に特化した改装工事・原状回復工事を多数手がけており、設計から施工、廃棄物処理まで一貫して対応いたします。最新のデザイントレンドや省エネ技術、法令対応などの専門知識を活かし、テナントの業態や予算に最適な提案をいたします。

工事をご検討の際は、お気軽にご相談ください。ご希望に合わせた最適なご提案をさせていただきます。

豊富な実績と専門知識を持つプロフェッショナルが、安心・安全な施工をお約束します。

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